第3回 HERO'S×YOANI新人漫画賞 受賞者大発表!!!

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奨励賞

「俺はメデューサさんが怖くない」大橋拓斗

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【あらすじ】
学校で暴走族と噂されるほど怖いもの無しの鬼塚くん。だが、彼にはひとつだけ怖いものがあった。それは隣の席の一人の女子。なぜって、彼女は「メデューサ」なのだから。

 

【講評】
今回の応募作の中で、もっともキャラクターや画面で読み手を楽しませようという意識のある作品でした。メデューサさんはとても可愛らしく良い意味で普通の子なので、メデューサのもつ怖さとのギャップがよく出せていたと思います。ただ、展開が「怖い」という感情一辺倒で進んでしまい、単調になってしまったことは残念。二人のキャラクターの別の側面が見えたり、「怖い」という感情を超える何かが描かれるなどもう一声深くキャラクターの関係性を深めるものが欲しかったです。

 

 

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https://viewer.heros-web.com/episode/3269754496624939744

 

期待賞

「薔薇と百合」髙橋海人

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【あらすじ】
生徒会長を務める完璧美少女・百合花は、校則違反を繰り返す茜を日々注意する毎日。だが、茜には役職を超える思いがあって……。

 

【講評】
百合花と茜、メインキャラ二人の表情がとても豊かで、丁寧に描かれている印象を受けました。ただ、オチに向けての展開があまりに弱く、拍子抜けしてしまいました。8Pの作品でも展開次第でより深く二人の関係性を進展させつつ、読者をたしませることができるはずです。

 

「ハンス・アンダーソンの見聞録」瀧田ひびき

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【あらすじ】
小説家・ハンスには常に「刺激」を求めていた。新作の執筆に行き詰まっていた彼は、森に危険な大猪が現れたことを知る。そこで彼は助手のモーネと共に大猪に立ち向かうことを決めた!

 

【講評】
8Pの作品なのに密度が高く、かなり情報や展開が多いのをうまくまとめていました。背景やカメラワークを良いバランスで使えているので、窮屈にもならずに構成できていると思います。今後の課題としては、より長いページで今のクオリティを保てるかどうか。それと、キャラクターのビジュアル作りなど地味な印象も否めないので、読み手にアピールできるポイントを工夫していくことを意識してください。

 

最終選考作品

「ATASHI no HONNE」 SHoW ITo

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【あらすじ】
伊勢と水嶋はなにかにつけて競い合っていた。日本史のテストでも買った伊勢は、水嶋とある賭けをすることに。「次のテストで水嶋が100点をとったら結婚してやる」と。

 

【講評】
作品序盤の勢いが良く、先を読みたくなる構成ができていたことは高ポイントです。ただ、あまりにオチが強引すぎて嘘っぽくなってしまったのが残念です。また、作画が不安定で若干野暮ったく感じます。継続して作品を作ることと並行し、基礎的な画力の向上をもとめます。

 

「もみカミッ」紗季

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【あらすじ】
広島・宮島に祀られる神様のもとに、ひとつのお供え物がきた。それは植物の葉っぱの形をした甘いお菓子で、それにいたく感動した神様は……。

 

【講評】
画力が安定していて、和服など難しいアイテムをきちんと描けているため安心して作品を楽しむことができました。ただ、4Pの作品では展開を作ることが難しいため、もう少し長いページでドラマを作ってみましょう。

 

「羽虫の糧」弥島丈桙

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【あらすじ】
陸軍の新兵として近江中尉の元に配属された武本。彼は軍人としても人間としても優れた近江に心酔していく。そんなとき、行軍中、敵襲にあった二人は……。

 

【講評】
戦時中、陸軍、といった特殊な舞台での作品なのに、情報量が少なく全体的に薄く感じてしまったのが残念。そのため、そこに生きるキャラクターも全体的に薄味になってしまったように感じます。丁寧にキャラを描こうとする姿勢は良いので、ネタ作りをもっと練り込んでみましょう

 

「どうしようもない兄」針井佳

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【あらすじ】
優二のもとに兄・啓太から突然の連絡が入った。「人を殺してしまった。死体を隠す手伝いをしてほしい」と。そんな事態なのに、啓太は普段どおり、脳天気なふるまいで……。

 

【講評】
ドラマ全体で読み手を楽しませよう、驚かせようという意識は、今回の投稿作で最も高かったと思います。ただ、画面づくりがあまりに淡白。背景も雑だし、カメラワークも単調。キャラクターメイクも凡庸な印象を受けます。漫画は絵から受け取る印象や情報がとても多いメディアです。絵を描くことにもっとこだわりを持ってください。

 

「天才発明家矢倍ナナの日常」ウチツカサ

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【あらすじ】
ひょんなことから幼馴染を死なせてしまったナナ。天才発明家である彼女は、自分の発明で幼馴染を生き返らせることに成功した。だが、生き返った彼の顔はなぜかゴリラになっていた。

 

【講評】
発想やキャラクターは勢いがあってよいのですが、その設定に頼りすぎです。最初から最後までずっと同じことを繰り返している印象。一ネタに頼りすぎず、ドラマを作ることを意識してください。